オペラオー流徒然草

競馬のことや最近気になっているゲーム・ラノベ・マンガ・アニメについて徒然なるままに。

電子漂民はサウジカップ2024の夢を見るか?

安土桃さんが好きになりました(手遅れ)。

 

 

本日は2月24日(土)に開催されるサウジカップの展望を見ていきたいと思います。

 

 

 

 

 

出走予定馬(2月1日)

 

 

日本馬

 

 

ウシュバテソーロ(牡7)

 

今年はドバイワールドC勝ちの有力馬が日本代表として参戦します。これほどうれしいことはありませんね。世界を股にかけて活躍した昨年の時点で6歳と高齢でしたが、東京大賞典も貫録勝ちで充実している様子。アメリカ勢がここ2年ほど不調なせいもあって、現状ダート界の世界一を争う地位にいる正真正銘の名馬です。昨年のサウジカップは未出走でしたが、ドバイWCの舞台だったメイダン競馬場とサウジカップで走るキングアブドゥルアジーズ競馬場は直線が長くコーナーが少し緩いなど似通った部分があるため問題はないでしょう。なによりこの時期の中東の気候の中で結果を出しているというのが大きいですね。現状のオッズは11倍の5番人気ほど(まだ出走馬未確定)で有力馬の一角。現時点では実際に出走してくる馬がどの馬になるのかまだ分からないため、今後出走馬が絞られてくれば人気も浮上する可能性があります。

出足が悪くレース序盤に置いて行かれがちですが、今回は長い直線のおかげで追い込みが炸裂しやすいコースとなっています。昨年はパンサラッサがまんまと逃げきりましたが、2着カントリーグラマーが進路を変えて猛然と追い込んできていたように本来は差しが決まってしかるべき長大な直線です。この馬の持ち味はなんといっても最終直線に向いてからの怒涛の追い込みですので、昨年のようなペースメーカーが居なければ差し脚の鋭さで戴冠を狙えるでしょう。

 

 

デルマソトガケ(牡4)

 

昨年のアメリカ最大のレース・BCクラシックでホワイトアバリオを1馬身差まで追い詰めた世界最強の4歳馬。UAEダービーのベイヤー指数がドバイWCを上回っていたことがレース後話題になり、ケンタッキーダービーでも3番人気に支持されるほど本場アメリカでもその実力を高く買われていました。父のマインドユアビスケッツは日本に種牡馬入りしたのが世界的にニュースになるほど本国アメリカでの種牡馬需要があった馬。アメリカダートの短距離馬というのは今欧米含むすべての国が欲するスピードの権化ですから、その注目度の高さも分かります。UAEダービーBCクラシックのレースぶりを見るとアメリカ流のハイペース先行押切に完全に適応できている様子なので、仮にサウジカップが1:50:00を切るハイペースになったとしても力を出し切れるでしょう。前走捉えきれなかったホワイトアバリオにどう相対するかがカギとなります。

 

 

レモンポップ(牡6)

 

昨年春秋中央ダートG1を勝利してJRA賞の最優秀ダート馬に選出されたのがこのレモンポップでした。昨年重賞初勝利だったため意外かもしれませんが実はもう6歳で並の馬ならそろそろ衰えを見せ始めてもおかしくはありません。ただ昨年秋のパフォーマンスを見る限りいまだに全盛期の勢いを感じさせるため、今回は生涯最高の走りを見れる可能性も十分にあります。デビューは2歳の11月と意外に早く、しかもデビュー後2連勝で2歳中央唯一のダートOP(当時)であるカトレア賞を制するなど、当初から大物として期待された馬でした。マイラーのイメージが強いと思いますが、当初は1400mで連勝を重ねており、重賞初挑戦となった武蔵野Sで距離延長した際に2着に敗れてしまったことからチャンピオンズカップ(2022)をいちどあきらめた経験があります。昨年末のチャンピオンズカップは着差こそ1馬身以上離しましたがゴール前で明らかにブレーキがかかっているのが見て取れましたので、正直千八はベストな舞台ではなさそうですが、過去にマイルの距離は克服しているのでもしかしたら今回も一度経験したことで距離に対応できるようチューンアップされているかもしれません。前目で競馬する馬ではありますが、アメリカの強豪が複数出走予定なので今回は控える競馬に徹するのではないでしょうか。フェブラリーSの時のように直線で末脚がはじけることを期待しましょう。

 

 

クラウンプライド(牡5)

 

通算GⅠ2着三回。昨年はサウジカップ5着、ドバイワールドカップ5着と好走しましたが帝王賞ではメイショウハリオに敗れ悲願のGⅠ制覇とはなりませんでした。ただこの馬の強みはなんといっても海外遠征で発揮されます。3歳時に初遠征のUAEダービーを制覇し、昨年秋には国際GⅢに昇格したコリアカップを圧勝。中東への遠征はこれで4度目となるため、陣営も本馬も慣れたものでしょう。チャンピオンズカップの惨敗は気がかりですが、有力馬のほとんどが遠征馬である今回はかなり有利な状態で臨むことができるはずです。ただしキャリアで見劣りするのも事実で、逃げられるほどの出足もなければ差せるほどのキレもない中途半端な立ち位置にいるのも痛いところ。これまで先行策しかとってきませんでしたが、今年のメンバーですんなり先行できるかもわかりませんし、課題があるのは間違いありません。ただし入線時に他馬よりも伸びていることも多く、早仕掛けでまくる米国流を試すと案外いい結果に結びついたりするかもしれません。

 

 

メイショウハリオ(牡7)

 

これまで交流GⅠ3勝。帝王賞連覇。かしわ記念制覇。実績としては申し分なく名馬と呼べる内容ですが、レモンポップやウシュバテソーロには完敗しておりダート界で一番強い馬と呼ばれることは無い印象です。堅実なレース選択と調整の上手さで大崩れしない成績を維持しています。その分今回の出走には大変驚きました。メイショウの馬がサウジアラビアに渡るなんて想像もしておりませんでしたので、、。とはいえ掲示板内に入れば交流GⅠを勝ったくらいの賞金を得られますので、レーティングや招待の都合が付けば出るのが当然の選択ではあるのですが。

またメイショウのオーナーあ松本好雄氏は零細牧場の救世主としても知られていますが、浦河町生産のパイロ産駒といういかにも中小牧場らしい背景の馬がここまで来られたという事実がまずとても大きいと感じています。世間ではノーザン一強という声をよく聞きますが、キタサンブラックテイエムオペラオーもグループ経営ではない牧場の生産であるということを忘れてはいけません。

 

 

 

米国馬

 

 

ホワイトアバリオ(牡5)

 

アメリカの1番手は昨年のBCクラシック覇者ということで大きな期待を集めています。これまでにGⅠを3勝。ホイットニーSとBCクラシックを連勝中。これだけ聞くとダート世界最強に疑う余地はないように思えますが、じつはこの馬はアメリカ版JRA賞であるエクリプス賞を一つも受賞できませんでした。年度代表馬BCダートマイル覇者のコーディズウィッシュに取られ、さらに最優秀古馬も持っていかれてしまったのです。これは誤解を恐れずに言えば、アメリカ国内での評価が芳しくないことを意味しています。つまり、最大のレースであるBCクラシック古馬王道のGⅠを勝ったけど到底アメリカナンバー1と言える内容じゃなかったよねということです。これに関しては他のBC勝ち馬のインパクトが大きすぎたのがこの馬にとって不幸だったかなと思います。コーディズウィッシュ、エリートパワー、グッドナイトオリーヴと圧倒的人気に応える強さを見せつけられましたので、相対的に内容に不満が出てしまったのかもしれません。ただ、レース自体は王道の先行押切で決して弱い内容ではありませんでした。デルマソトガケも最後差を詰め切れなかったように日本馬には苦しいペースで自分から動いて勝利をもぎ取っているのでスピードもスタミナも十二分に備えているとみて間違いないと思います。日本馬にとって最大の障害になるのはやはりこの馬ではないでしょうか。

 

 

ナショナルトレジャー(牡4)

 

昨年のプリークネスSを勝ったクラシックホースが満を持しての参戦。前哨戦として使われたペガサスワールドカップを快勝し、4歳馬では最強か?と評価を急上昇させています。BCダートマイルでも年度代表馬コーディズウィッシュをあと一歩まで追い詰めており、人によってはこちらがアメリカの本命だという人もいると思います。1800mという距離に関して言えば確かに実績がありますが、それはホワイトアバリオも同じなので現状どちらが上かというのはかなり判断が難しい問題です。近年の傾向からいうとBCクラシックの勝ち馬とBCダートマイルの勝ち馬が直接対決した場合、ダートマイルの勝ち馬が勝つことが多い印象です。(あくまで印象)実際に2022年ペガサスワールドカップでは前走BCダートマイル覇者のライフイズグッドが前走BCクラシックを制していたニックスゴーを破りました。2019年の同じくペガサスWCではBCダートマイル1着のシティオブライトと同2着シーキングザソウルが、BCクラシックを勝ったアクセラレートを破って1,2着をい、BCクラシックという米国競馬最大の競走の威信が揺らぎかけました。注目すべきは、ペガサスワールドカップも今回と同じ1800m戦であるということ。この距離ではスピード豊富なマイラーに少しばかり利があるのかもしれません。マイルでコーディズウィッシュにハナ差まで迫ったそのスピードに期待したいですね。

 

 

セニョールブスカドー(牡6)

 

こちらはアメリカの上記2頭に比べると小粒に思えるかもしれませんが、なかなかの強豪です。4歳時のアックアックS(1600m G3)で重賞初勝利と遅咲きですが、少しずつ力をつけていって、昨年夏のサンディエゴS(1700m G2)で重賞2勝目。特にこの冬の成長はすさまじく、いまはG2となってしまっているが長らくG1だったシガーマイルSを2着した後に前走ペガサスWCではナショナルトレジャーに唯一食らいつきクビ差の2着。1800m戦であればトップクラスの馬であることを示しました。レース内容も申し分なく、コーナーが曲がりやすく直線も長いキングアブドゥルアジーズ競馬場であればむしろ分が有るとすら思える注目の穴馬候補です。ペース次第ではありますが後方で他の出方を伺う脚質はアメリカ勢にはあまり無いタイプなので、脚質がかぶりやすい日本馬は特に注意すべき馬かもしれません。

 

 

 

ホイストザゴールド(牡5)

 

これまでに重賞2勝。アメリカ国内では中堅という位置づけですが、前走距離延長して臨んだペガサスWCでは4着と健闘してみせました。これまでは1400m以下のレースを専門に走っており、昨年のBCはスプリントに出走(6着)。直後に距離延長してシガーマイルSへ出走し最初から先頭を走って圧勝。このレースにはセニョールブスカドーも出走していましたが、このレースだけで言えば実力差を見せつけたような勝ちっぷりでした。しかし次走のペガサスWCでは先着を許しましたし、1800mでは他の実力馬に敵わないのかなというところではあります。逆にこの馬が上位争いをするようならアメリカのレベルが他国と隔絶しているということになるでしょう。

 

 

サウジクラウン(牡4)

 

昨年の4月デビューという遅咲きながら9月にはGⅠを勝った天才肌。とはいえ特に有力な馬を倒したわけではなく、強い馬が集まったBCクラシックは4番人気と評価されていたものの10着に敗れてしまいました。今年初戦のルイジアナS(GⅢ 1700m)を圧勝してきてはいますが、相手がやはり弱くいまいち実力が測りかねるなという印象です。人気になっているようですし、馬名からしてもサウジカップに本気を感じますので調教の様子などが確認できて調子がいいようなら抑えたいですね。

 

 

 

その他の馬

 

 

カーメルロード(牡4)

 

地元サウジアラビア所属ですが、アメリカ生まれで昨年まではアメリカで走っていました。昨年末からサウジアラビアで走り始め、サウジカップの地元の前哨戦であり国内最大のレースでもあるキングファイサルカップを勝ってきています。2年前のサウジカップ覇者エムブレムロードもキングファイサルカップ勝利から参戦しており、この馬にも注目が集まっているようです。とはいえアメリカ時代重賞未勝利ということもあってさすがに懐疑的な見方も多くある印象。エムブレムロードはドバイWCでも3着に入るなどそもそも国際舞台で通用する地力がありましたが、この馬の場合すでにアメリカの地で通用しなかったという事実があります。アメリカ勢5頭にドバイWC勝ち馬、BCクラシック2着馬などそうそうたる顔ぶれの今回は厳しい戦いになりそうです。