オペラオー流徒然草

競馬のことや最近気になっているゲーム・ラノベ・マンガ・アニメについて徒然なるままに。

電子漂民はケンタッキーダービー2023の夢を見るか

 

電子漂民の皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

私は花粉が収まったと思ったら今度は低気圧で頭が痛い日々です。

 

 

今回はアメリカ競馬三冠の第一戦。歴史あるレースにして3歳限定としては国際レートトップの大レース・ケンタッキーダービーの予想をしていきたいと思います!

 

 

 

まずはケンタッキーダービーへ出走するためのポイント制度である、ロード・トゥ・ケンタッキーダービーのポイントランキングを見てみましょう。

 

1位 190pt Forte(フォルテ)

 

2位 160pt Practikal Move(プラクティカルムーヴ)

 

3位 154pt Angel Of Empire(エンジェルオブエンパイア)

 

4位 150pt Tapit Trice(タピットトライス)

 

5位 123pt Two Phil’s(トゥーフィルズ)

 

6位 105pt Lord Miles(ロードマイルズ)

 

7位 100pt Derma Sotogake(デルマソトガケ)

 

8位 100pt Kingsbarns(キングスバーンズ)

 

9位 64pt Raise Cain(レイズケイン)

 

10位 60pt Rocket Can(ロケットキャン)

 

11位 60pt Hit Show(ヒットショウ)

 

12位 57pt Confidence Game(コンフィデンスゲーム)

 

13位 54pt Verifying(ベリファイング)

 

14位 54pt Sun Thunder(サンサンダー)

 

15位 50pt Wild On Ice(ワイルドオンアイス)

 

16位 50pt Mage(メイジ)

 

回避 46pt Blazing Sevens(ブレイジングセヴンス)

 

17位 46pt Disarm(ディスアーム)

 

18位 45pt Reincarnate(リインカーネイト)

 

19位 45pt Jace’s Road(ジェイスロード)

 

招待枠   Continuar(コンティノアール)

 

 

以上の20頭までが出走権を獲得しています。

 

日本ダービーと違い、アメリカのケンタッキーダービーはフルゲートが20頭となっており、世界的に多頭数と言われる日本のレースよりも多い頭数で行われるのが特徴です。

 

にもかかわらず、前哨戦のサンタアニタダービー2着のマンダリンヒーロー(大井)はポイントが足りずこのままでは除外となるなど、ケンタッキーダービーに出るのはとても熾烈なポイント争いを勝ち抜かなくてはなりません。枠が20あると言っても、世界一の馬産大国アメリカでは少ないくらいだということです。

 

今回コンティノアールが貴重なその1枠をJapan Road To The Kentucky Derby招待枠ということで埋めてしまっており、実際に現地で有力馬相手に善戦したマンダリンヒーローが出走できないのに…と物議をかもしていますが、このあたりはマンダリンヒーロー他地方競馬所属馬の今後の海外挑戦で状況が変わるかもしれません。

 

今回はそういった制度への提言等は置いておいて、純粋にレースの展望のみをまとめますのでご了承ください。

 

 

 

 

注目馬は何なのよ!

 

Forte(父Violence 母Queen Caroline 母父Blame)

1番の注目は何といってもポイントランキングTOPのForte(フォルテ)です。

ここまで7戦6勝。デビュー2戦目の初重賞サンフォードS(G3・ダ1400m)で4着になって以降破竹の5連勝で前走フロリダダービーも快勝。前年のBCジュベナイルの覇者で2歳チャンピオンでもあり、7年前のNyquistナイキスト)を思い起こさせるような快進撃を続けています。ナイキストと違うのは、無敗でないこととポイントランキングでトップに立っていること(7年前はGunrunnerがTOP)それとナイキストのオニール厩舎は西海岸でしたが、フォルテのプレッチャー厩舎はニューヨーク州に本拠があるという点に違いがあります。改めて考えると西海岸所属で東海岸BCジュベナイルとケンタッキーDを無敗で勝ったナイキストは化け物でしたが、フォルテは有利な条件で戦えるということでもあります。地元のフロリダからはそれなりの距離の遠征にはなりますが、同じケンタッキー州キーンランド競馬場BCジュベナイルを勝っていますし、この程度の距離の遠征はもう問題ないのかなという感じです。今年に入ってからの2戦でRocket Can(ロケットキャン)とMage(メイジ)というKYダービー出走馬2頭を直接倒していますし、所有レートも全世界の3歳馬の中でトップなので、誰が見ても今年の大本命と言えるでしょう。ただ不安要素として、レーティングトップを獲得したのは去年のBCジュベナイルの時で、今年に入ってからはそのレートを超えるパフォーマンスを見せていないという点があります。2,3番手クラスの有力馬との直接対戦が無いので、物差しがない状態であるという点は留意したほうがよさそうです。

 

 

Practical Move(父Practical Joke 母Ack Naughty 母父Afleet Alex

さてそのフォルテの対抗馬と言えそうなのがポイントランキング2番手のPractical Move(プラクティカルムーヴ)です。デビュー戦は7番人気。初勝利までに3戦を要し、しかも繰り上がり優勝と、当初は全くクラシックに絡む気配のなかった馬でした。しかし5戦目の名物重賞ロスアラミトスフューチュリティ(G2・ダ1700m)で突如覚醒。5頭立て4番人気という完全なる伏兵扱いの中、4角で楽に先団に取りつくと内をすくって先頭に踊り出し、そのまま差を広げて圧勝してしまいました。このレースはかつては翌年のクラシックを占う2歳最後のG1レースとして名を馳せ、歴代勝ち馬にはその後のG1馬がゴロゴロいます。ただこの勝利がフロックだと思われたのか、年明け初戦のサンヴィセンテS(G2・ダ1700m)でも9頭立て4番人気とまだ伏兵扱いのままでしたが、このレースも2馬身半差の快勝。この連勝によってポイントランキングで急浮上し、一気にケンタッキーダービー優勝の有力馬に名前が挙がるようになりました。そして本番前の試金石として挑んだ西海岸最重要プレップレースのサンタアニタダービー。ほぼプラクティカルムーヴの一強状態の中、すんなり4コーナーを先頭で回ってきた本馬でしたが、まさかの伏兵マンダリンヒーローにあわや交わされるかというギリギリのところで再加速し、粘り切って1着を死守してみせました。正直あの追い込みを凌ぎ切ったのは着差以上の強さを垣間見たなという感じがしましたし、悲観するレース内容ではないなという感想でした。現地の目線ではどうしてもマンダリンヒーローは格下の馬なので、それと差のない競馬になったのは若干評価を落とす原因になっているかもしれませんが、個人的には非常にハイパフォーマンスなレースを見せてくれたと思っています。

 

Tapit Trice(父Tapit 母Danzatrice 母父Dunkirk

お次は現在ブックメーカー各社で2番人気に推されているこの馬・Tapit Trice(タピットトライス)です。アメリカのクラシック競走にめっぽう強いTapit産駒の有力馬ということで、前走ブルーグラスS勝利後に人気が急上昇しています。ここまで5戦4勝。負けたのはデビュー戦4着のみと安定感抜群で、デビュー以来1番人気か2番人気にしかなっていないという評判馬でもあります。重賞への参戦は前々走のタンパベイダービー(G3・ダ1700m)と前走ブルーグラスS(G1・ダ1800)の2戦のみですが、メンバーでも数少ないG1馬ですし、キッチリと前哨戦を勝ち切っているのが評価点だと思います。ただ前走の勝ち方がサンタアニタDと比較して特別優れているとは正直思えません。最後は3番低下を大きく引き離してVerifyingとのマッチレースのような状態になりましたが、タイムが良馬場のわりに1:50:00と結構遅めのペースでした。アメリカでは珍しい瞬発力勝負になった結果見栄えが良かったのかなという気がします。本番は多頭数の潰しあいが起きるレースなので、思い切って後方待機ならハマると思いますが、日本の皆さんならお馴染みのドン詰まりを起こす危険もあるためなかなか難しい……。完全に直線でギアを上げる差し馬だと思いますので、リスキーではありますが展開に恵まれることは確実でしょう。

 

 

Delma Sotogake(父Mind Your Biscuits 母アムールポエジー 母父ネオユニヴァース

さぁ今回この記事を書いた理由と言っていいでしょう。日本調教馬でありながら堂々人気の一角として参戦するデルマソトガケです。というか記事書いていて気が付きましたが母アムールポエジーなんですね。そこにまず驚きました。母も父もダート馬なのになんで最初芝を使ったんでしょうか?父のほうは近年まで活躍していたアメリカ調教のスプリンター・マインドユアビスケッツ。2018年のマテラスカイが初めて海外遠征したドバイゴールデンシャヒーンで連覇を達成した馬なので覚えている方もいるかもしれません。実はこのレースは前年のBCスプリント1,3着馬(Roy Hとマインド)と、G3や高額賞金のノーグレード戦を勝ちまくっていたXYJetの米スプリント頂上決戦と化しており、そこを実力でねじ伏せたマインドユアビスケッツはアメリカでもかなりの人気を誇っています。そのため日本での種牡馬入りを残念がる声も多く、今回のデルマソトガケの参戦を(おかえりマインドユアビスケッツの子)と歓迎してくれている様子です。ただ父がアメリカ競走馬と言っても母方はガチガチの近代日本血統。超高速競馬と化した日本の血統を下支えするサンデーサイレンストニービンの系譜にあたります。UAEダービー1着からの参戦はラニという前例(14人気9着)がありますが、その時とは人気が全然違います。これはダートにおいての近年の日本馬の活躍もあるのですが、デルマソトガケが前走のUAEダービーで記録した1:55:81というタイムが、同日のウシュバテソーロが勝ったドバイWCのタイムパフォーマンスよりも優れていたためというのが最も大きな理由です。ラニUAEダービーの勝ちタイムは1:58:41なので、それと比較して2.6秒も速いタイムを記録していることになります。ラニもケンタッキーでは奮いませんでしたが、プリークネスS5着、ベルモントS3着とクラシックで2度も掲示板に載っている馬ですから、そのラニとここまで決定的なタイム差を叩き出している点は特筆すべきだと思います。直前のコンティノアールとの併せ馬でもかなり動きの良さが目立ちますし、今年のアメリカ本国勢が正直手薄と言えるメンバーなので大いにチャンスがあると思っています。応援の意味も込めて本命の印を打ちたいです!

 

 

いかがだったでしょうか!

全部で20頭もいますし、情報を調べても英語の記事しか出てこない馬もたくさんいると思います。そもそもアメリカの3歳戦にあまり馴染みがない方も沢山いらっしゃると思いますが、この機会に『あぁアメリカのダービーって向こうではこんなに盛り上がるんだぁ』『ポイントランキング制って日本と全然違うなぁ』という感じで興味を持っていただけたら嬉しいです!まだまだ欧州のクラシックも続きますので、そちらも一緒に楽しんでいきましょう!

 

※こちらの記事は随時更新していきます。