凱旋門賞は10月2日!!
やってまいりましたこの時期が!!
フランス競馬、いや世界競馬の祭典、芝2400mの世界一決定戦、凱旋門賞の時間だああーーーーーー!!
去年もほんの少し特集を組ませていただきましたが、大本命トレヴが沈むという大波乱に時代の流れを感じましたね。欧州も長く続いた牝馬の時代を終え、いよいよ欧州競馬発展の時代かと思いきや、待っていたのは……。
ちなみに凱旋門賞については
↑の記事ですでに取り扱っていたりします。
大まかな出走馬も載っているので是非参考にしてみてください。
当記事は↑とは違い完全に凱旋門賞のみを取り扱いますので、ブリティッシュチャンピオンズやBCのことが気になる方は上の記事で取り上げる予定ですのでそちらをご確認ください。
ではウィリアムヒル(英国のブックメーカー)の人気を確認しましょう。
ポストポンド(Postpond) 1人気
5牡 英国 父Dubawi
ここまでの戦績を振り返ると間違いなく英国競馬史にのこる英雄。GⅠ4勝含む重賞6連勝は伊達ではない。しかし時代に恵まれた感もあり、絶対的信頼感はない。
マカヒキ(Makahiki) 2人気
当年の日本ダービー馬。史上最強世代と呼ばれる猛者たちの中でも抜群の安定感と強さを見せた日本のエース。シャンティイの芝は日本に比べて末脚が伸びにくいのがネック。
ファウンド(Found) 3人気
4牝 愛国 父ガリレオ
GⅠ2着9回のシルバーコレクターだがBCターフで凱旋門賞馬ゴールデンホーンを破った実績がある。とにかくいろんなレースに出ているので物差しにはなる。
ハーザンド(Harzand) 4人気
3牡 愛国 父シーザスターズ
3歳時にGⅠ6連勝で凱旋門賞を制し「ウイポみたい」と言われた怪物シーザスターズ産駒の英愛ダービー馬。英ダービーの勝ち方は良かったが愛チャンピオンで8着と惨敗。
オーダーオブセントジョージ(Order of St George) 5人気
4牡 愛国 父ガリレオ
愛国の長距離王。3歳夏から圧倒的な強さで長距離6連勝を達成したが、前走愛セントレジャーでウィックロウブレイヴに惜敗。12ハロンはOP戦を1勝しただけで実績なし。
ニューベイ(New Bay) 6人気
4牡 仏国 父Dubawi
昨年の仏ダービー馬で凱旋門賞3着馬。今年は休養していたが復帰戦の愛チャンピオンSで厳しいペースのなか4着に残った。
セブンスヘブン(Seventh Heaven)7人気
3牝 愛国 父ガリレオ
英オークスで完敗したものの愛オークスを人気薄で楽勝し、ヨークシャーオークスではファウンドを突き離して1着。3歳牝馬なので斤量が軽い。
レフトハンド(Left Hand) 8人気
3牝 愛国 父Dubawi
仏オークスではラクレッソニエールに半馬身遅れたものの、ヴェルメイユ賞を差し切り勝ち。しかしインパクトに欠ける上相手も弱かった。
シルヴァーウェーヴ(Silver Wave) 8人気
4牡 仏国 父Silver Frost
今年のサンクルー大賞とフォワ賞の勝ち馬。どちらも凱旋門賞の参考レースだが今年は有力馬が2400mの戦線に現れなかったため上位馬との対決がない。
ファシネイティングロック(Fascinating Rock) 10人気
5牡 愛国 父Fastnet Rock
なぜかアイルランドから出てこない変わり者。夏前のタタソールズゴールドカップではファウンド相手に圧勝してみせた。2400はGⅢ1勝のみだしそもそも出てくるのかすら不明。
ハイランドリール(Highland Reel) 10人気
4牡 愛国 父Galileo
キングジョージを勝ったのに全然評価されない馬。実は速い時計に強く、2400mを2分28秒台で安定して走り抜ける力を持つ。
こんな感じになっているようです。
ほぼほぼ想定通りですが、ハイランドリールあたりは評価が低すぎる気がしますね。上の馬以外だと、今年の英愛ダービー2,3着のアイダホや英ダービー2着のユーエスアーミーレンジャー。パリ大賞勝ち馬モントーメルなどがいますが、上位に食い込むには実力的に厳しい感じがします。他ではペリエジョッキーの乗るミグワール(4牡)も頭に入れておきたいです。
さて筆者の所感ですが、マカヒキが最有力だと見ています。
まず世代のレベルが欧州に比べて日本のほうが圧倒的に高いです。3歳馬も4歳馬も、日本馬の方が全体の力が上でしょう。これはどうやらヨーロッパサイドも痛感しているようで、着差を重視するブックメーカーにしては珍しく僅差勝ちばかりのマカヒキを2番人気に推しています。
さらに3歳馬というのも追い風になっています。3歳牡馬と4歳牡馬とでは斤量がかなり違います。その点でポストポンドを大きく凌駕していますね。
さらにさらに、今年の凱旋門賞が起伏が多くて水はけの悪いロンシャンでなくシャンティイで開催されるというのもマカヒキにとっては追い風になっています。イスパーン賞でエイシンヒカリが圧勝してみせたように、シャンティイはスピードタイプのディープ産駒に向いている競馬場です。高低差は中山の倍の10mと激しいですが、それも欧州の他の競馬場に比べれば幾分かマシです。水はけがよく、今年の仏ダービーの映像などを観てもらえると分かりやすいのですが、非常に綺麗な芝をしています。これは大レースの前に芝を念入りに整えるためで、アスコットのようなただの原っぱとはまったくワケが違うのです。凱旋門賞でも最高の仕上げをすると考えられますし、時計はさらに早くなるとみていいでしょう。前哨戦のニエル賞では極力体力を温存しながら勝利できましたし、シャンティイでも日本とほぼ変わらない末脚を発揮できています。日本馬初の凱旋門賞勝利は案外あっさり決まるかもしれません。
では他の馬はどうなんだというと、やはり一番怖いのはポストポンドです。2400mのレースで好位差しを決める持続力が武器で、ここまで重賞6連勝という実績と安定感は今年の欧州馬ではアタマ2つぶんくらい抜けています。しかし着差の割にスピード感の無いレースぶりはたびたび指摘されており、事実早い時計はあまり出したことがありません。そんな中前走のインターナショナルSで記録した2分6秒58という時計はフランケルに迫る優秀なもので、おそらくこの勝利で人気が不動のものになったのではないかなと思います。初G1勝利のキングジョージ以降、一貫して好位抜け出しからの逃げ切りに徹しており、1馬身まで詰め寄られても驚異的な粘りで残ってしまうほどの勝負根性を有しています。しかし瞬発力はあまり無いようで、後方から前を差し切ることはほぼ不可能だと考えていいでしょう。ファウンドはコロネーションカップでポストポンドのペースに飲まれて(前年度のペザースムーンより10秒遅いタイムでの走破)末脚不発でしたが、今回は多頭数ですからそういった小細工は効きません。ファウンド有するオブライエン陣営の他にもニューベイなどの地元勢も居ますし、ペースメーカーのことを考えるとレースは早めに流れると考えられるからです。ただしポストポンドはドバイシーマクラシックで2.26台のタイムを出しているので、速いレースが苦手というわけでは無さそうです。死角の少ないこの馬ですが、上で述べた通り、斤量が負担になるので始まる前から大きなハンデを負っていることを忘れてはいけません。
各馬の印 実績 展開 適性 能力 短評
1番 ヴァデヴァニ 牡3 バデル -- -- -- -- 無し
2番 ザグレイギャツビー 牡5 ドイル × -- × -- 厳しい
3番 シルハンズサガ 牝6 ブドー × × × -- 厳しい
4番 シルヴァーウェーヴ 牡4 スミヨン △ △ ▲ × 買い
5番 タリスマニック 牡3 バルザローナ -- -- -- -- 無し
6番 ハーザンド 牡3 スマレン ◯ ▲ △ △ 上位
7番 ポストポンド 牡5 アッゼニ ◎ ◎ ◯ ◯ 大本命
8番 ニューベイ 牡4 シュミノー × × △ × 上昇
9番 ワンフットインヘブン 牡4 C.デムーロ -- -- -- -- 鞍上◯
10番 サヴォワヴィーヴル 牡3 ティリキ × × -- × 次回に
11番 ハイランドリール 牡4 ヘファーナン △ △ × △ 注意
12番 ファウンド 牝4 ムーア ▲ △ △ ▲ 上位
13番 ミグワール 牡3 ペリエ -- -- -- -- 鞍上◯
15番 レフトハンド 牝3 ギュイヨン △ △ ☆ × 怖い