オペラオー流徒然草

競馬のことや最近気になっているゲーム・ラノベ・マンガ・アニメについて徒然なるままに。

電子漂民は海外競馬の動向をチェックするか?(10/9更新)

秋競馬が、始まる!(出遅れ)

 

 

「なんで暇なはずの夏休みに投稿しないんですか?」と聞かれると「何故か忙しかったからだよ!!!」としか返答できないオペラオーです。お久しぶりですね!

 

今回は、年始めにもおこなった「米国クラシック展望」の欧米全路線版(一部地域除く)です!!

早くも(一部地域除く)とか付いてて若干怪しいですが、いちおう凱旋門賞及びブリティッシュチャンピオンズ、BC各路線は網羅できると思います!たぶん()

では張り切って行ってみよー!

 

 

 

 

1 欧州編 

 

 1st 凱旋門賞路線

 

みなさんが1番気になっているのはこれなんじゃないでしょうか。

今年も日本からダービー馬マカヒキが参戦しており、他人事ではない世界チャンピオン決定戦・凱旋門賞

毎年のように日本中が熱狂し、毎年のように落胆しているこのレースですが、今年はなにやら様子がおかしいようです……。

 

9月中頃時点オペラオー流凱旋門賞下馬評

1番手 ポストポンド   5牡  指数125   前年度キングジョージ覇者

2番手 ファウンド    4牝  指数121   GⅠ連続2着・BCターフ覇者

    マカヒキ     3牡  指数121   日本ダービー

    セブンスヘブン  3牝  指数121   芝12F牝馬限定GⅠ連勝中

    レフトハンド   3牝  指数121   最重要前哨戦ヴェルメイユ賞1着

    ニューベイ    4牡  指数121   前年度3着馬。今年は消化不良気味だが愛チャンピオンS4着で実力は示した。

3番手 ラクレソニエール 3牝       指数120   無敗の仏オークス

    アルマンゾ―   3牡  指数120   仏ダービー愛チャンピオンS馬  

    マインディング  3牝  指数120   牝馬限定GⅠを勝ちまくった。愛チャンピオンSで完敗

4番手 ハイランドリール 4牡  指数119   善戦マンだったがメンバー手薄なキングジョージ制覇

    シルヴァーウェイヴ 4牡 指数119   サンクルー大賞、フォア賞と12ハロンを連勝

 

 

それ以下 ハーザンド    3牡  指数115   今年度英愛ダービー馬。そもそも英愛ダービー自体のレベルが疑問視されている上、愛チャンピオンSではまったく勝負にならなかった。

    ユーエスアーミーレンジャー 3牡  指数115 英ダービー2着馬だが実力はハーザンド以上とも。しかしそもそも英ダービーのレベルが(ry

    アイダホ     3牡  指数114  英ダービー好走組だが英セントレジャーでつまづいて落馬しているので凱旋門出ない可能性のほうが高い。

    ビッグオレンジ  5牡  指数113  プリンセスオブウェールズSでザグレイギャツビーに完勝

    ミッドターム   3牡  指数110  ニエル賞でギリギリまで粘った2着馬。

    ホークビル    3牡  指数110  エクリプスSでザグルカを破ったがその後2戦着外

    オーダーオブセントジョージ 4牡  指数120くらい? 昨年の愛セントレジャーを大差勝ちした長距離の英雄。今年も連覇を狙ったが思わぬ伏兵相手に惜敗。長距離馬なのでそもそも凱旋門に出るかすら不明

    ウィックロウブレイヴ    牡馬  指数120くらい? 障害馬でありながら愛セントレジャーでオーダーオブセントジョージを破った奇才。凱旋門賞にはたぶん出ない。

 

 

欧州凱旋門戦線はだいたいこんな感じになっております。

なんだかマカヒキが行けそうな気配漂ってますね……?

というのも、今年のヨーロッパは例年に比べるとすべての世代、性別、距離で層が薄いのです。レベルが低いと言ってもいいでしょう。正直、香港と日本の中距離馬を集めてレースしたほうがレベルが高いと思います。

となれば必然、日本のダービー馬であるマカヒキは実力上位となるわけです。

欧州勢でマカヒキに対抗できるのは、ドバイシーマクラシックで日本最強馬だったドゥラメンテを真っ向から叩き潰したポストポンド。そのポストポンドに次ぐ実力の持ち主で、去年の凱旋門賞ゴールデンホーンBCターフで下したファウンド。この二頭が実力的にマカヒキに対抗できる馬です。しかしポストポンドは前哨戦のフォワ賞にも出走せず8月半ばの英国際S一着からぶっつけでの参戦となるためレース勘が鈍っている可能性があります。ファウンドの方はGⅠ5戦連続で2着と、去年居た誰かさんみたいな戦績になってしまっておりこちらも不安な感じが拭えません。マカヒキが前哨戦のニエル賞をなんとか勝ってくれたことで、日本馬による凱旋門賞制覇の夢がこれまででもっとも近くなったと言えるでしょう。

と、楽勝ムードが漂っていますが毎年日本馬の前に立ちふさがってくる3歳牝馬の存在を忘れてはなりません。今年は3頭の3歳牝馬が話題を集めています。

まずは今年のクラシックの中心にいた愛国(アイルランド)の女傑マインディング。すでにGⅠを6勝。今年だけでも4勝しているため、カルティエ賞(全欧)最優秀3歳牝馬はほぼ確実ですが、ここを勝てば年度代表馬も確実になるため否が応でも気合が入ることでしょう。マインデングの武器は直線でどこまでも果てることなく伸びる末脚です。勝つときは3馬身4馬身差をつけることも多く実力は欧州全体でも指折りですが、決め手には欠くのか取りこぼしも多い印象があります。切れ味勝負になればマカヒキに分があるのではないでしょうか。

続いては未だに無敗のフランス二冠馬ラクレソニエールです。仏1000ギニーではマイルGⅠを連勝するケマーを、仏オークスではヴェルメイユ賞を勝つレフトハンドをそれぞれ破って勝利しています。秋初戦のノネット賞も危なげなく勝利し、現在の凱旋門賞オッズの2番人気となっています。不安材料としては、仏ダービーアルマンゾ―同様2100以上のレースを走ったことがないという点くらいでしょうか。ほぼ同じ戦績だったアヴニールセルタンは距離の壁に敗れましたが、この馬は果たして……。

 そしてラストはこの世代では軽視されていたセブンスヘブンというこれまた愛国オブライエン厩舎の管理馬。はじめはパッとしない成績でしたが、オブライエン厩舎に入れるだけあって血統は超一流。母ラトラヴィアータは聞き覚えがある人がいるかもしれませんが、日本のアルフレードの祖母にあたる馬とは別の馬。アメリカのヴィクトリーライドSというG3を勝っており、能力は高いです。そして父はヨーロッパリーディングサイヤーガリレオ。GⅠを勝つべく配合された馬と言っても過言ではないほどの豪華な組み合わせです。今年の二歳馬から産駒がデビューしているフランケルに王座を明け渡す前に、まだまだ最強の種牡馬であると誇示するかのように躍動する今年のガリレオ凱旋門賞だけでもマインディングファウンドハイランドリールセブンスヘブンオーダーオブセントジョー等、多くの産駒が有力視されており、もはや欧州競馬をガリレオ抜きには語れなくなってきています。数年前まではモンジューも勢いがあったのですが、種牡馬成績では完全に水をあけられてしまっていますね…。セブンスヘブン自体の能力は12ハロンであれば世代トップの可能性すらあるほどの逸材です。しかし前述のとおり今年のクラシック世代は大したことがないので、マカヒキポストポンドに対抗できるかは未知数でしょう。

 

 この三頭が怖い馬になるわけですが、そもそもなぜ3歳牝馬が怖いのかという部分も少し解説しましょう。

通常、レースには馬に対して斤量というものが課されます。これは馬にとって重りとなってしまうジョッキーの体重を制限し、各馬に不公平の無いようにするための措置ですが、同時に強い馬を弱くする、いわゆる「ハンディキャップ」としての役割も持っています。ハンデと聞くとギャンブルのための措置と思われるかもしれませんが、競馬においては生来埋められない大きな溝を補完する策でもあります。そもそも競馬には人間のスポーツではまず行わないある慣習があります。それは…牡馬も牝馬もともに走るレースを頂上決戦とすること。競走馬も動物なわけですから、当然性差はあります。一般的に、牝馬よりも牡馬のほうが筋肉量が多く競走能力が高いと言われています。ですが人間ほどの差があるかというとそうでもなく、牡牝混合でレースを行なっても問題はありません。……ただし、斤量差があれば。つまり斤量は性差を埋めるための制度でもあったわけです。牡牝の他にも馬齢、つまり年齢による斤量差もあり、性齢別で重量を課すことで平等なレースを行うことが出来るようになるのです。

さて、本題の3歳牝馬が怖い理由ですが、これは欧州の斤量制度が非常に大雑把なことが理由です。実は凱旋門賞の斤量格差はたびたび話題になっており、2013年の凱旋門賞では、勝ったフランスの3歳牝馬トレヴと2着のオルフェーヴルとの斤量差が3.5kgもあったことが問題視されました。1kgの斤量差で1馬身の差がでると言われる競馬において、3.5kgの差は途方も無いものです。もし今年凱旋門賞を予想しようと言う方がいたら、どうか斤量にはお気をつけ下さい。ちなみに現行の凱旋門賞の斤量は、古牡馬が59.5kg・古牝馬が58kg・3歳牡馬が56kg・3歳牝馬は54.5kgとなっています。

マインディングラクレソニエールセブンスヘブンも、日本で普通に走っていればオークス桜花賞を勝っていて当然の馬たちです。そんな馬たちが恵まれたハンデで出走してくるのですから、警戒して当然ですよね。

 

 9・25追記 ヴェルメイユ賞の勝ち馬・レフトハンドを追加しました。

 

 

 2nd  BCマイル路線(ブリティッシュチャンピオンズ:クイーンエリザベスⅡ世S路線)

凱旋門賞路線の地味さと比べると若干救われているのがこのマイル路線です。欧州ならではのスターホースの競演という体を一応保てています。もっともエイシンヒカリがあのまま滞在してマイルに舵を切っていたら分からなかったわけですが……。

とりあえず有力馬をピックアップしてみましょう。マイル路線は実力が拮抗していますので順位付けはしない方向で行きます。

 

 

ガリレオゴールド 3牡 

ザグルカ 3牡

ヴァダモス 5牡

アリススプリングス 3牝

リブチェスター 3牡

エルヴェヂャ 4牝

ベラード 4牡

ユーロシャーリン 5牝

オウタード 3牡

ザラク 3牡

 

 

有力どころはこんな感じでしょうか。リマートはおそらくスプリントに絞ってきているハズですし、モンディアリストは北米に滞在してウッドバインマイルに挑むと思うのでこれが欧州のベストメンバーでしょう。マイル路線は毎年3歳馬が台頭することが多い路線で、今年もその例に漏れず3歳馬が路線を引っ張っている印象です。その三歳馬の中心にいるのが仏2000ギニーの勝ち馬ザグルカ。セントジェームスパレスSではガリレオゴールドに負けたものの、コーラルエクリプスSではホークビルと大接戦を演じ半馬身差の2着。続く英国夏の大一番サセックスSではガリレオゴールドを破り3歳マイル路線の頂点に立ちました。マイル路線は古馬がイマイチなため、実質マイル路線の王者となっています。二番手のガリレオゴールドサセックスSまでは優秀な成績だったのですが、ジャックルマロワ賞で8着に惨敗。ちょっと状態が良くないのかなという感じがしますが、もう2ヶ月くらい経ちますしさすがにQEⅡ世Sには間に合うのではないでしょうか。ガリレオGが敗れたジャックルマロワ賞を制した3歳馬のリブチェスターは状態も上向きでやっと本格化といった様子を見せています。他にはムーランドロンシャン賞勝ち馬のヴァダモス古馬で最も勢いのあるマイラーで、斤量差がありますが今年の層の薄さなら勝てる見込みが大きいと思います。スプリントも活発ではないため最優秀短距離馬の行方はブリティッシュチャンピオンズとその後のBCマイルに委ねられているのが現状です。

    

 

 3rd ブリティッシュチャンピオンズ・スプリント路線(アベイユドロンシャン賞路線)

さあつづいては欧州のスプリント路線です。もうお察しの通り小粒です。去年や2年前はなんだかんだハイレベルだったんですね……。オルフェーヴルロードカナロアをあらためて評価しなおすべきなのではないかと考えてしまう今日このごろ。

ヨーロッパのスプリント路線は2015年を境に大きく様変わりしました。6月末のロイヤルアスコットに3歳限定のスプリントGⅠ・コモンウェルスカップが新設され、さらに10月のチャンピオンズデーのブリティッシュチャンピオンズスプリントSがGⅠに格上げされたことによってスプリントGⅠレースが一気に2つも増えたためです。コモンウェルスカップは欧州初の3歳限定スプリントGⅠで、世界的に珍しいレースプランとなりました。3歳限定のスプリントGⅠがある地域というとオセアニアが有名ですが、コモンウェルスカップはそのオセアニアへの配慮によって創設されたGⅠだと発表されています。オセアニアは南半球の国が多く、レース体系は六月に年齢を一区切りする方式になっています。つまり6月に2歳馬が3歳馬になるわけですが、実はオセアニアは2歳戦の賞金が非常に高額で、2歳で引退してしまう競走馬も多いのだそうです。2歳戦を終えるとオセアニアには目立ったレースがないからという理由らしいですが、そういった素質馬がすぐに引退してしまう事態を避けるためにコモンウェルスカップが創設されたと言われています。でもヨーロッパで開催しても意味なくないですか……?

さて、本題のスプリント有力馬ですが、正直何がどれくらい強いのかよく分かりません(相馬眼G)。でも一応ピックアップしてみますね。

 

リマート 4牡    

クワイエットリフレクション 3牡

メッカズエンジェル 5牡

サインズオブブレッシング 5牡

ザティンマン  牡馬

ゴードンロードバイロン 牡馬

ドンファントリウンファン 3牡

 

弱い(確信)。この中で地力でビッグアーサーに勝てる馬は1頭も居ないでしょう。かなしいなあ……。クワイエットリフレクションは3歳馬で非常に勢いがあり今季最も安定しているスプリンターですがジュライカップリマートに完敗したのが痛いですね。力関係はリマートクワイエットリフレクションが頭一つ抜き出ていて、その後ろをサインズオブブレッシングが追うカタチでしょう。正直ザティンマン以下に勝機は無いと思います。ドンファントリウンファンが覚醒すればあるいは……その程度の希望ですね。

 

 

 

 4th ロングディスタンス(ロワイヤルオーク・メルボルンC)路線

 

ロングディスタンスは最も影が薄い路線ですが、トリップトゥパリス、オーダーオブセントジョージ、ヴァジラヴァッドなど今年は2,400でも人気になる馬が多い当たり年です。まあ中距離に強い馬が居ないせいというのもあるんですが……。

凱旋門賞に向かわない馬たちばかりですが、凱旋門賞に出ても勝負になったかもしれません。

 

オーダーオブセントジョージ 4牡    今年度アスコットゴールドカップ1着

トリップトゥパリス   5牡      前年度アスコットゴールドカップ1着

ウィックロウブレイヴ  牡      今年度愛セントレジャー1着

ヴァジラバッド  4牡        今年度ドバイゴールドカップ1着

ビッグオレンジ  5牡        G2連勝

シンプルヴァーズ 4牝        前年度セントレジャー2着

シェイクザイエドロード  5牡    今年度ゴールドカップ3着

ミレエミレ  5牡          前年度カドラン賞1着

 

 

この他にもセカンドステップマックスダイナマイトエクゾスフィアなど有力馬がゴロゴロしています。中でも注目は凱旋門賞路線でも紹介したオーダーオブセントジョー。前走愛セントレジャーでは伏兵ウィックロウブレイヴに負けましたが、その実力を疑う内容ではありませんでした。この後はオーストラリアのメルボルンカップに挑むことが発表されていますが、好レースが期待できると思います。

メルボルンカップだけに関して言えば、前年度5着のビッグオレンジが好調で期待大。2400mの欧州最重要G2・プリンセスオブウェールズSで仏ダービーザグレイギャツビーをちぎって勝利し、続く3200mのグッドウッドカップもシェイクザイエドロードウィックロウブレイヴを倒して1着になっています。実績ではGⅠ馬に劣りますが、勢いはこちらが上でしょう。他には上には書かれていませんがオーストラリアの前年度メルボルンカップ覇者・プリンスオブペンザンスや今年のランヴェットSを勝ったザユナイテッドステイツ、日本のカレンミロティックなども上位に入る可能性が高いと思います。

肝心のロワイヤルオーク及びカドラン賞ですが、上の中から出てきた馬が勝つでしょう。というのも、この路線は有力馬が多い割に中距離に行ったりそのせいで長距離GⅠに出られなくなったりでまったくGⅠで当たらないのです。この秋も凱旋門賞ドラール賞、メルボルンカップなどとの兼ね合いでカドラン賞をスルーする馬が多く、出てきた馬には無条件でチャンスが巡ってきます。今のところはシェイクザイエドロードウィックロウブレイヴビッグオレンジあたりが有力です。

 

 

 

2 北米編

 1st BCクラシック路線

 

今年は年初から北米3歳ダート特集をしましたが、とうとう各路線の集大成・BCクラシックの季節がやってまいりました。BCクラシックは北米のダートで好成績を収めた3歳・古馬の牡馬・牝馬すべてが目標にする大レースです。カリフォルニアクローム世代を始めとして、ここ数年の北米ダートは史上稀に見る豊作が続いています。昨年の3冠馬・アメリカンファロアーを挟んで3世代を走り抜いてきた現王者・カリフォルニアクローム。昨年の最優秀古馬牝馬で今年も充実のビホルダー。きらめくスターの競演が、今年も開催されます。まずは下馬評を確認しましょう。

 

カリフォルニアクローム 牡5  オーサムアゲインS完勝。今年度5連勝全勝

ドルトムント 牡4   アメリカンファロアー世代のサンタアニタD馬。カリクロに2連敗中

フロステッド 牡4   メトロポリタンHを14馬身差で圧勝。続くホイットニーSも勝利したがウッドワードSは僅差3着

アローゲイト 牡3   真夏のダービートラヴァーズSを13馬身差で圧勝した怪物。ぶっつけで本番に臨む予定

ナイキスト 牡3   今年のケンタッキーダービー馬。無敗でダービーを制覇した後は2連敗している

エグザジェレイター 牡3 プリークネスS馬。ハスケル招待ハンデも勝ったがベルモントSトラヴァーズSで11着になっていて安定感に欠ける

クリエイター   牡3   ベルモントSをハナ差で制したが、3着馬ラニの豪脚の前に印象が霞んでしまった。その後2戦着外。

メラトニン 牡5   サンタアニタHサンタアニタ金杯の勝ち馬。よくいる西海岸専用機

ビホルダー  牝6  前年度古牝馬チャンピオン。近3走2着で衰えか。ディスタフに向かう可能性あり

ソングバード  牝3 無敗の11連勝中の牝馬。近3走は3歳牝馬の主要GⅠだが2着との合計着差が18馬身にものぼる。

ホッパチュニティ 牡5  3歳時から活躍し、数々のGⅠで2着になっている善戦マン。しかし10月2週のジョッキークラブ金杯でクラークH以来1年8ヶ月ぶりのGⅠ制覇を成し遂げた。 

 

 

かなりの好メンバーが揃いました。まだ回避や登録などは決まっていませんが、おそらく上の馬は牝馬を除いて全てクラシックに向かうはずです。ビホルダーとソングバードはまだディスタフの可能性があるので保留。ステラウインドはたぶんディスタフなので書きませんでした。

大注目の本命馬は何と言っても今年無敗のカリフォルニアクローム。その走る姿は圧倒的で、もはや負けるのが想像できないほどです。アメリカらしく脚質は逃げ。自ら超ハイペースを作り、そのまま逃げ切ってしまうのがこの馬の持ち味です。今年のレースを見ると、GⅠで勝利するときは常に最後流しており、未だに全力を出していません。またフロステッドアローゲイトと違いクラシック路線の本命候補と直接対決して圧勝しているところもポイントが高いです。父ラッキープルピットプルピット産駒の無名馬。母父ノットフォーラヴも筆者は聞いたことがありません。世界最大の馬産国ゆえ種牡馬が豊富なのはわかりますが、まさかこの血統で世代最強馬が出るとは……。

2番手は拮抗しています。まずは3歳馬の筆頭格であるアローゲイト。トラヴァースSでの圧勝は度肝を抜かれましたが、実績はその一走だけです。今年好調なアンブライドルズソング産駒ではありますが、もう一回くらいはBC前に走って実績を積んでもらいたいところです。トラヴァースを見る限りではこの馬も逃げよりの先行タイプ。先団に取り付いて直線の入り口では先頭に立っているのが理想でしょう。カリクロと脚質が被る分潰し合いになるリスクがありますね。

その潰し合いでカリクロに完敗したのがドルトムントアメリカンファロアー世代の実力馬で、ケンタッキーダービーではアメリカンファロアーに次いで2番人気でした。逃げ脚質でしたがアメリカンファロアーに完敗して以降先頭に立てない場面が多くなった印象があります。4歳になってやっと復調してきましたが、カリフォルニアクロームビホルダーに完敗し実力差を見せつけられてしまいました。父は無敗のケンタッキーダービービッグブラウン。母父はストームキャット直仔テイルオブザキャット

 

 

 

 2nd BCターフ路線

 毎年欧州馬がどれくらい参戦するかによってレベルが変わってきてしまうレースですが、今年は少なくとも2頭アメリカから有力馬が出走します。

 

フリントシャー 牡6  父ダンシリ

前年度凱旋門賞2着馬。今年からアメリカに移籍し4戦3勝2着1回と抜群の成績を収めている。去年香港ヴァーズでハイランドリールに負けているのが気がかり。

エクト  牡5  父ハリケーンラン

2歳時にGⅠを勝利しヨーロッパの次世代を担うと期待されたがクラシック未出走で凱旋門賞17着と散々な結果に。再起をかけてアメリカに移籍し、前走ターフクラシックでフリントシャーを5馬身突き離して圧勝して復活を果たした。

ハイランドリール 牡4  父ガリレオ

今年のヨーロッパの大将格。愛チャンピオンSでは激遅タイムが影響したか7着と惨敗したが、高速決着の2400mに抜群の適性がある。

ファウンド  牝4  父ガリレオ

出走するかは不明だが、出ればおそらく1番人気。今年度凱旋門賞馬。長らく2着が続いていたが、去年のBCターフはこの馬が制している。

モンディアリスト 牡6  父ガリレオ

去年のBCマイル2着馬で今年はアーリントンミリオンを制している。欧州では結果を出せていなかったが、北米の平坦な馬場にはめっぽう強い。

 

 

フリントシャーはわかりますが、まさかエクトが復活するとは思いませんでした。おかげでガリレオ無双にはならなくて済みそうです。注目は何と言っても前年度覇者にして今年度凱旋門賞馬のファウンドですね。適性や能力は言うことなしですから、後は体調と疲労、そもそも出走するかどうかなどが気になるところです。

 

 

 

 3rd  BCフィリー&メアターフ路線

今年は日本からヌーヴォレコルトが参戦するということで話題になっていますが、実はアメリカの芝牝馬がすごいんです……。とりあえず各馬を見てみましょう。

 

ヌーヴォレコルト 牝5 父ハーツクライ

日本のオークス馬。今年に入ってからは2戦着外と今一つふるわないが、前年度香港カップエイシンヒカリの2着の実績あり。

キャッチアグリンプス 牝3 父シティジップ

デビュー2戦目から8連勝中の怪物牝馬。ターフ版ソングバードとも言われる。BCジュベナイルFターフではアリススプリングスを破り、ベルモントオークスも快勝。3歳世代では欧州にも引けを取らない実力馬。

シーカリシ 牝4 父ユームザイン

去年までは欧州で走っており、ヨークシャーオークスヴェルメイユ賞3着の実績がある。ことしのビヴァリーDSを勝ったが直後のフラワーボウル招待で完敗

レディーイーライ 牝5 父ディバインパーク(ミスプロ系)

一昨年のBCジュベナイルFターフ勝ち馬で生涯成績8戦7勝2着1回。好メンバーのベルモントオークスも制した芝牝馬黄金世代の大将。前走フラワーボウル招待でシーカリシに勝利。

 

前年度のフィリーアンドメアターフはアメリカの中継会場で解説のおじさんたちが「コイツだけは来ないよ(笑)」と言っていた地元アメリカのステファニーズキトゥンが勝利し笑いを誘いましたが、今年は北米勢が堂々の本命として欧州勢を迎え撃ちます。

まずは本命と目される現芝古牝馬路線最強馬のレディーイーライ。上でも書いたとおりここまで8戦7勝2着1回という素晴らしい戦績で、前走フラワーボウルSでは欧州からの移籍馬であるシーカリシを倒しています。GⅠは3勝に留まっていますが、北米は他路線に比べて古馬牝馬の芝GⅠが少ないため決して弱いということにはなりません。BCジュベナイルフィリーズターフベルモントオークスという2歳・3歳の最重要レースを制していますし、実力最上位と見てまず問題ないでしょう。2代父チェスターハウスは昨年アメリカ三冠馬となったアメリカンファロアーの2代父エンパイアメーカーの兄。父のディヴァインパークはメトロポリタンハンディキャップの勝ち馬ですが、その前哨戦だったベルモントパークダート8ハロンウィンチェスターハンディキャップというG3で1,32,74というとてつもないレコードを叩き出したことがあります。クオリティロードの父イルーシヴクオリティも目立った成績が無かったが芝マイル戦で世界レコードを出したことがあるからという理由で種牡馬入りして成功しました。アメリカはこのように種牡馬としての成功の門戸が広いのが魅力ですね。