日本時間5/24(火)21:50ごろ、フランスのシャンティイ競馬場でイスパーン賞(芝1800m GⅠ)が行われ、日本の”エイシンヒカリ”が勝利しました。
昨年末人気薄で香港カップを圧勝したスピードスターが、今度はフランスで人気に応えました。
レースは揃ったスタートから。いつものようにハナを切ったエイシンヒカリに、外からヴァダモスが競りかかります。ここで武豊騎手は前を譲って外へ持ち出します。結果的にこれが勝因になりました。レースはそのままヴァダモスのペースでゆるやかに進みます。当日は馬場が壊滅的に酷く最悪の状態と言われる中でのレースでしたから、仏ダービー馬ニューベイやガネー賞馬ダリヤン陣営はエイシンヒカリがハイペースで逃げることを警戒したようです。そのまま直線に入るとエイシンヒカリは楽な手応えのままヴァダモスに並び、あっという間に抜き去ってしまいます。一方後方待機の馬たちはぬかるんだ馬場に足を取られ思うようにエンジンが掛かりません。そんな中1頭すごい脚で追い上げてきたダリヤンが一度はエイシンヒカリのすぐ後ろまでやってきますが、そこからあれよあれよとリードを広げられ、最終的にはフランスギャロの公式発表で10馬身差(日本であればこれ以上は数えない「大差」表記)を付けられて敗北しました。勝ったエイシンヒカリは逃げて控えて番手から、上がりももちろん最速でおまけにムチを使っていないというとんでもないレースを見せてくれました。
今年のヨーロッパは全体的に小粒で、スター性のある絶対的強者が存在していないと前々から言われていました。そんななかでも今回のイスパーン賞は全ヨーロッパから中距離の現最強馬たちが集っていたのですが、エイシンヒカリはそのことごとくを千切り捨てて今年の欧州のスター候補に名乗りを挙げました。
陣営によると次は予定通り「ロイヤルアスコットウィーク」のプリンスオブウェールズステークスに向かう予定で、フランスに続きイギリスでの快挙達成が期待されます。
エイシンヒカリ 5牡 父ディープインパクト 母キャタリナ(ストームキャット)
生産は木田牧場。クラシックがノーザン一色な今では珍しい非社台系牧場出身の馬なんですね。坂口正則厩舎所属。馬主は栄進堂。
日本馬によるフランスのGⅠ制覇は1999年エルコンドルパサーが勝利したサンクルー大賞以来17年ぶり。ヨーロッパのGⅠを日本産日本調教馬が勝つのは初の快挙です。